微塵地図に残る仕事

微塵

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アン・ジェは、ウンスとミョンウォルの話を聞き、
急ぎ、皇宮内を捜索するよう指示をだす。

チョ・インピュとエランが捕らえられた今、
すでに皇宮を去っている可能性も否めない。

だが、アン・ジェの中に、

言いようもない焦りが渦巻いていた。

まさか、迂達赤に間者が潜んでいたとは・・・

迂闊だった・・・

一体、だれが・・・?

迂達赤は、縁故などで入隊は不可能。
ヨンがそれを許すはずがない。

しかし、ここ離宮まで入り込むには、
迂達赤の警護を潜り抜ける必要がある。

やはり、迂達赤に潜んでいるということか・・・

アン・ジェは、信頼のおける部下に
1通の書付を託した。

「この書付を、市井のマンボの店に届けてくれ。
急げ!間に合わねば、

地獄の鍛錬どころでは済まされぬぞ!!
命が惜しくば、死にものぐるいで届けて来い!!」

アン・ジェの言葉に、部下の兵士は、全速力で駆けて行った。

康安殿
王は、執務机で、書簡に目を通している。

その背後から、囁くような声が聞こえてきた。

「王様。
お呼びとの事、如何なさいました?」

王は、書簡から目を離すことなく
独り言のようにつぶやく。

「大護軍の奥方を狙う輩が、皇宮に潜んでいる。
しかも、倭寇が絡んで居る。」

「倭寇・・・」

「大護軍が、その片棒をかついでいる高官の屋敷を
捜索に行っている。

大護軍の影となり、手助けを・・・」

「・・・」

「それから、離宮の警護の強化に、
その方の手のものをたのみたい。

離宮を襲われれば、高麗は光を失うことになる。」

「御意・・・」

声の主は、姿を現すことなく、康安殿を去って行った。

「風を操る男は、まるで風のようだな・・・」

王は、男が去った後、独り言のように呟いた。

チョ・インピュの屋敷
少し遅れて到着したヨンに、チュンソクが駆け寄ってくる。

「大護軍。
今、屋敷内をくまなく捜索しています。

どうやら、家族のものや、

使用人達は詳しいことは知らないようです。」

『そうか。
で、何処にいる?』

ヨンは、低い声でチュンソクに問う。

「あちらに・・・
全員集めましたが、チョ・インピュの奥方をはじめ、
側室の方々は、部屋から出て来ぬ状態です。」

チュンソクが、困ったように報告する。

『部屋から・・・

出て来ぬか・・・

ならば、そこに何かがあるのだろう。
チュンソク、案内いたせ。』

< span style="font-weight: bold;">ヨンは、屋敷の捜索など、素早く終え証拠を手にして
すぐさま、皇宮、離宮へと戻りたかった。

チュンソクの案内で、奥方をはじめ、
使用人以外の者が集まる居間へと、ヨンが足を踏み入れる。

「これは、大護軍チェ・ヨン殿ではございませんか?
一体どういう事でございますか?

突然、迂達赤がわが屋敷に乗り込むとは・・・
理由を教えて頂けますか?」

チョ・インピュの奥方と思われる女人が
ヨンの姿を目にした途端、近づいてきた。

『チョ・インピュの奥方か?

正直に申せば、酌量の余地もあろう。

倭寇との密貿易、
そしてその裏で企んでいる悪行を白状いたせ。』

ヨンは、冷たい視線を向けて言い放つ。

「なんと無礼な・・・
まして、私どもは姻戚関係になる間柄。
娘のエランも離宮へと参ったというのに・・・」

チョ・インピュの奥方は、困惑の表情を浮かべる。

ヨンの怒りの炎に油を注いだことに気がつかない。

『どなたと姻戚関係になるとおっしゃるのだ?

エランという娘との話は、
正式にお断り致して居る。

にも拘わらず、離宮へ親娘で乗り込み、
王妃様の義姉君様である我が妻を侮辱し辱め・・・

今は、牢に繋がれておる。

チェ家を愚弄なさるおつもりか?!

覚えておかれるがよい。

我が妻は、生涯唯一人。
天変地異が起きようとも、
他に娶るつもりは微塵もない。

チュンソク!
この部屋にいるもの全てに縄をかけ、
引きずりだせ。

トクマン、チュモ!
この部屋をくまなく探せ。』

★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
最後まで、お読みいただき、
ありがとうございます。
ドラマ『シンイ』の2次小説です。
私の想像の世界です。
お読みいただき、
イメージが異なってしまうかもしれません。
その際は、スルーをお願いします。
by junjun

評判の微塵をじっくり見てみよう♪

「レ・ミゼラブル」

[作]アラン・ブーブリル&クロード=ミッシェル・シェーンベルク 

[作詞]ハーバート・クレッツマー

[演出]ローレンス・コナー / ジェームズ・パウエル

[出演]ヤン・ジュンモ / 吉原光夫 / 和音美桜 / 唯月ふうか / 海宝直人 / 生田絵梨花 /橋本じゅん / 鈴木ほのか / 上山竜治 / 他 

 

 
5月27日17:00~、帝国劇場にて。
約3年半ぶり2回目の生・レミゼ。
この作品に限っては不要の注意書きかと思いますが、一応ネタばれ注意な感想です。
 
 
 
キャストはジャベール役の吉原さん以外は、前回観劇時とはガラリと変わって(レミゼでは)初めて観る方ばかりでした。
何度も、何年も続けて通ってらっしゃる方だと、細かい演出以上に、キャスト毎の演じ方や化学反応を観る楽しさがあるのだろうなぁ!
組み合わせ無限大ですもんね。
まだまだ2回目なので、その境地には程遠い私ですが、期待以上に存分に楽しませていただいた公演でした。
 
正直、観に行く前は
「映画版は何度も観たし、一度観た物語だし、歌もストーリーもだいたい知ってるし、
今更そんなに泣かないだろう!」
と思っていて、そんな謎の自信と共に高を括って行ったら…
もう、しぬほど泣かされて帰って来ました。
冒頭の司教様のシーンから早速泣いてました。駄目だこりゃ。
 
素晴らしかったです。
前回も思ったけれど、テレビ的な「有名人」が大勢名を連ねているわけでも、
プリンス的なキャストが2人3人出ているわけでもないのに、
数か月に渡って大劇場を満席にしてしまう、作品自体の力が圧倒的だなぁ!
と今更ながらに痛感させられました。
 
バルジャン役のヤン・ジュンモさんは初めて拝見したのですが、本当に本ッ当に素晴らしかったー!
前回観劇時も映画で観た時も、そんなに泣きはしなかった「エピローグ」で、今回は涙腺決壊した。
凄く凄く弱った歌声で、でもとても優しくて、消え入りそうなのに何故か後ろ~の席までばっちり届いて、
その声でコゼットに語るように歌うのが泣けて泣けて。
コゼットに対する深い愛情が、歌声ひとつで全部伝わるバルジャンでした。
「語るように歌う」ミュージカル芝居の基本であると思いますが、その真骨頂を観た想いでした。
今回は貸切公演だったのでカテコでバルジャン&ジャベールからも一言をいただいて、
決して聞き取りにくいわけではなく、かといってペラッペラというわけでもない日本語でのご挨拶に、またジンとしてしまった。
上演中は完璧に日本語で歌いこなされて、微塵の違和感もなく圧倒的歌唱&演技力にすっかり魅入ってしまったので。
でも舞台の上に立つ以上、それが最早当たり前なんだろうなぁ、と、役者というのは凄いなぁと改めて子供みたいな感想を抱いたのでした。
(話し出す前に、ちらっとカンペを掲げてみせるアピールがとてもキュートなヤンさんでした。)
 
吉原ジャベールは、もう圧巻の一言!
どんだけ歌上手いんだあの方は。
「美女と野獣」ガストンの吹替も「凄い」を超えて「凄まじい」上手さdしたが、
生で聞くとまた格別。
だいたいにおいて
「わー、またっ出たっっ!
どうして出てきてほしくない時にばかり出てくるかなあコイツはっ!」
と思ってしまう彼ですが、敵役ではあっても悪役ではない、絶妙な立ち位置がよく現れた「星よ」はやっぱり名曲。
前回に引き続き、だった吉原ジャベ。
せっかくなので次は違うキャストで…という建前とは裏腹に、
「次回もこの方で観たい!」
と思ってしまう私なのです。
 
他のキャストも流石の歌声&演技で、素晴らしかったなぁ!
エポニーヌはふうかちゃん、と決めていたので、期待以上のいじらしさ可愛さ巧さに大満足。
マリウスと絡む時はおてんばぽく、力強く、元気いっぱいな感じだから、
余計に「オン・マイ・オウン」「恵みの雨」が泣けるんだ。
 
 

< div id="3F9220C5-8EAA-4FB5-BF59-BB3023406DAE">流れの中では、今回特に胸に刺さったのは3つ。

1つ目は、バルジャンとジャベールの対比でした。
メロディが同じなだけに、「バルジャンの独白」と「ジャベールの自殺」の明確な対比、2人の男の差は残酷なほど。
人生観や信念が180度変わってしまうような強烈な体験をした2人の進んだ道はあまりに対象的でした。
「君を恨んでいない」と宣言するバルジャン、愕然とするジャベール、の図がとても好きなだけに、
私はジャベールの選んだ道がつくづく残念で哀しくてなりません。
 
2つ目は、学生たち。
結末を知っていると、一幕で意気揚揚と、威風堂々と革命への決意を新たに歌いあげる姿が泣けて泣けて…
「犠牲者たち」で、市民の女性達が、「何も変わらない」と歌いながら、弔いのロウソクを置いて去っていく。
続く、「カフェ・ソング」で、友を想って嘆くマリウスを死んだアンジョルラスら学生が囲み、
そのロウソクを持ち上げて去っていく。
この一連の流れと、最後の民衆の歌、「彼ら夢見た明日が来る」が、私の中で綺麗にかみ合って、
その瞬間また涙がぼろぼろっと。
変わらなかった、なんてことはない、彼らが変えたもの、遺したものは確かにあったんだと、
自分の正体を見破ったガブローシュの遺体を見つめるジャベールの姿や、ラストシーンの皆が揃った姿にも想いを巡らせながら信じたくなる。
音楽が最高潮に盛り上がるシーンで、アンジョルラスの遺体が「赤」の象徴的な布と共に荷車に乗せられ、
運ばれていくシーンにも、無常観や虚しさ以外の何かを感じ取りたくなる。
 
3つ目は、最後にバルジャンを迎えに来る、ファンティーヌとエポニーヌ。
バルジャンを中心に置いて、彼女達(の魂)がそれぞれ、コゼットとマリウスを優しく見つめる、その構図の意味に初めて気付きました。
「誰かを愛することは神様のおそばにいくこと」
この歌詞が、初めて腑に落ちた。
どちらも無償の愛を注いだ相手。
マリウスとコゼットが生き延びて幸せになる、その意味と価値もようやく納得いく答えが得られた気になりました。
 
 
他、細かいシーンを語り出すときりがない。
とにかく、もの凄い作品力(?)だなぁと、強く強く思った次第です。
 
 
そして、最後に。
今回一番のお目当ては、テナルディエ役・橋本じゅんさん。
普段は新感線の舞台でばかり観ているじゅんさんを、まさか帝国劇場で、しかもレミゼで拝見出来るとは!
「SHIROH」を生で観ていない私は、帝劇で万雷の拍手を浴びるじゅんさんの姿を初めて観たので感無量でした。
 
元々、テナルディエ夫婦はレミゼの中でも特別好きな2人でして。
他の登場人物は皆、重い過去や不幸を背負い、時に死に急ぐような悲壮感を背負いながらも懸命に生きている姿に心打たれるのですが、
テナルディエ夫妻だけは
「そんなもん知ったことか!」
とばかりに笑い飛ばして蹴散らして、生き意地汚くあの混沌の中を、周囲も巻き込みながら歌って踊って歩いて行く。
流れるようなテンポ良い物語は、彼らのシーンで一際大きく渦巻いて、その渦に巻き込まれるのはとても心地良くて楽しい。
主人公たちに見下され、あるいはイジメ抜くゲスな悪党なのに、その前に「清々しいほどの」という形容詞がつくだけで、
どうしてこんなに愛すべきキャラクターになっちゃうのか。
多分だけれど、彼らもまた「持たざる」人達だから、というのが根底にあるんじゃないかなぁ。
この夫婦が大金持ち夫婦であったなら、きっと私が持っている彼らへの印象は大きく違っていると思う。
 
そして、そんな
「自分たちが生きるにはこの手段しかない、だからやっている。
それの何が悪い!?」
と言わんばかりの吹っ切れたような明るい悪党っぷりに、クソ野郎だと頭では分かっていてもついつい笑顔と、手拍子なんかもやらずにいられなくなるのは、
演じ手の愛嬌ももちろん不可欠で。
 
そんな役、我らが橋本じゅんのハマリ役に決まってんだろー!!
 
と、宿屋、そして結婚式のシーンで最早ニヤニヤを抑えられなかった私です。
ジャベールと対峙するとこも超好き!
あっという間に貫禄負けする駄目さキュートさよ。
「すいませんすいません…」って(笑)
歌も上手いし、登場シーンは他の役と比べて多くは無い中で、
それでも出てくると、奥様と共にかなりいろんな段取りが多くて結構大変なんじゃ?と思います。
(実際彼らのシーンは目が足りません。
小芝居も全部追っかけたいのに!)
それらをものともせずに、軽快に、飄々と世間を渡っていき、
時折下水道のようなゾクッとする凄味を見せるじゅんさんテナルディエ!
個人的にではありますが、いつか帝劇の浦井さん主演作に、じゅんさんの姿があってほしい、と願いました。
 
 
 
 
 
レミゼ、地方も含めまだ始まったばかりの旅。
最後まで無事に、誰一人書けることなく完走されますよう!
 
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