製鉄所で学ぶ社会学
立川シネマシティにて極上爆音上映の
「ターミネーター2 3D」を観てきました。
が、鑑賞中いくつか気になるポイントがありました。
T2は非の打ち所の無い完璧な映画と
思ってたのですが、改めて観ると、
物語の展開上(細かい部分ですが)
「あれ?」という部分があったのです。
しかし、それらは全て「特別編」を観れば
キチンと回収される疑問点であることも
同時に判りました。
逆説的ですが、「特別編」という補足を
知った上で、オリジナル版の不足が
目に付いたということです。
というわけで、今回はいかに特別編が
オリジナルの不足点をカバーしているか
について語ります。今更ながら。
もちろん、オリジナルと特別編の違いに
ついてはファンの方々によって語り尽くされ
ているので、僕が改まって語る必要がないの
は重々承知です。
3D版を鑑賞して、この作品の細かいところ
まで良く練られている点に改めて驚かされた
ので書かずにはいられません。
※公開中の3D版はオリジナル版の3D化
であって、特別編の3D化ではありません。
①「あの子に危険が迫っているんです」・・・?
サラ・コナーが精神科医シルバーマンと
面談をするシーン。
「膝の具合はどう?」なんて猛々しい
登場シーンとは打って変わり、
サラはすっかり回復しましたよアピール。
息子ジョンとの面会の許可をシルバーマン
に迫るのですが、
「あの子に危険が迫ってるんです」という
台詞に「ン?」となります。
明らかにT1000の登場を予見してます。
でも何故それを知っている?
→特別編のアンサー
この面談シーンの前に、サラの前に
カイル・リースの幻影(夢だったかな?)
が現れて「ジョンが危険に」と警告をする
シーンがあるんですね。
しかし、このシーンが無いと「危険が迫っている」の裏づけが無くなってしまうので、
観る側にとってサラの誇大妄想のように
見えてしまいますし、何だか急に態度
変わりすぎじゃなーい?という印象に
なるかな、と。
ですので、カイルの再登場シーンは
残した方が良いシーンだと思います。
もちろん、特別編の存在を知らなければ、
気にならない点ではありますが。
②ターミネーターの唐突なニヤリ
T800にも学習能力があることは、
本人の口から明らかになりました。
ジョンから人間臭い言動を教えこまれます。
その成果あってか、地下の武器庫で
いかついガドリング銃を手にニヤリ。
うわ、唐突な笑顔。超こえー
それまで無表情だったT800の笑顔には
どうしても唐突な印象が拭えません。
→特別編のアンサー
ジョンが笑顔の作り方を教えるも、
ひきつったような顔になってしまい、
上手くいかなかったという描写があります。
失敗を経ての「今度はうまくいった」と
いう笑顔の流れがあった方が
学習能力についてより丁寧に描かれている
印象になります。
よって、このシーンも残した方が良かったかな。。。
③ジョン、偽サラを見破る
クライマックスの製鉄所にて、
サラに化けたT1000をジョンが見破り、
本物サラが偽サラを背後から銃撃というシーン。
ジョン、何故分かった?
血の繋がった親子のテレパシー的な?
→特別編のアンサー
液体窒素で一度カチコチになったT1000は
機能が一部不全になっており、
体の一部が触れた場所と同化してしまう
というカットがある。
で、ジョンは偽サラの足が床と同化
していることに気づいたという描写も。
結果的にこの描写の有無でジョンの
判断の解釈は大きく変わってくる。
オリジナル版なら、「ママはこんな
弱音を吐くはずがない」というジョンの
母に対する信頼を表現できていたと思うし、
特別編なら、液体金属を徹底的に描く
という点がさらに鋭くなっていたと思う。
T1000の機能不全はとても面白いアイディア
なので、生かして欲しかったかな。
このように特別編のアンサーはいずれも
オリジナル版の疑問点を解消してくれる
気持ちが良いものばかりです。
特別編の登場によって、本編の外側にも
設定がきちんと広がっていることがハッキリ
しましたね。
疑問点にはちゃんと予め答えがある感じ、
本当によく練られた傑作です。
オリジナル版の後に特別編を観れば、
更にこの映画が好きになれるはず。
ですので、3D版は特別編のバージョンで
見たかったな、とついつい思ってしまうところ。
5,076円
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T2とは対照的な特別編と言えば、
「地獄の黙示録」。
オリジナル版は大好きなのですが、
特別編で追加されたエピソードはどれも蛇足。
コッポラは「今後は特別編がこの作品の
スタンダードになる」なんて言ってる
そうだけど、勘弁して欲しい。
2,037円
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更に言うと、カーツ大佐の王国が爆撃に遭う
不思議の国の製鉄所
アメリカ等外国には戦時中の日本の兵器や写真、映像が意外な程眠っている。
以下産経ニュースより転載
北九州市は、太平洋戦争中や終戦から間もない時期の市内を撮った写真や映像の複製を、米国立公文書館で計約290点入手した。
戦後72年、米軍が広島に続いて北九州市・小倉地区に原爆を落とそうとした史実を詳しく伝えるため、市は平和資料館の整備計画を進める。
今回集めた資料も、展示に加える方針だ。
米軍は1944年6月16日から、B29爆撃機で本格的に日本への本土空襲を展開。まず北九州市・八幡地区が標的となった。
集めた写真の中に、その翌日とみられる八幡製鉄所とその周辺を撮ったものがあった。
「日本の製鉄の20%を占める。空襲の極めて重要な対象」といった説明書きが、英語で写真に添えてあったという。
焼け跡を歩く市民や被害を調査している米兵の写真もあった。
(産経ニュース)
日本は戦時中の兵器や資料を国として保存したりすることに余り関心がなかった。
そのため零戦にしても戦車にしても外国で整備され可動できるものが少なくない。
それに比べ日本は・・・・・・。